1446264835206




家庭の医療費をかしこく節約する77の方法 井戸美枝 川嶋朗

生活習慣病は生活習慣を改善すれば予防できる。そうとわかっていても不摂生を続けしまう人が多いようです。

私たちは普段、さまざまなストレスにさらされています。気温の変化や音などの物理的要因、不安や怒りといった心理的要因、職場環境に代表される社会的要因などで、うつ、狭心症、胃・十二指腸潰瘍、メニエル病などさまざまな病気の原因となります。糖尿病やガンもストレスに影響されます。
つまり、ストレスが軽減できれば多くの病気を予防することができ、医療費も減らせるといえます。

運動には、心肺・血管などの機能の維持・改善、筋力や骨の強化、ガン予防など、多くの効能があります。

薬や食事だけでは人間の運動機能を維持することはできません。適度な運動は生活習慣病予防に効果的です。

ストレッチなどの準備運動のあと、最大心拍(220-年齢)の60〜90%程度の有酸素運動を15〜30分間行うと、心肺の調整や血糖値のコントロールに役立ちます。
なお、血糖値などの改善効果がみられるのは運動の48時間後までなので、48時間以上空けずに少しずつでも継続的に行うことが重要です。
また、生命活動を維持するために必要なエネルギーのことを「基礎代謝」といい、その40%は筋肉のために使われます。筋肉の量を増やして筋肉を強化すれば、エネルギーの消費量が増えて効果的にダイエットができます。

【日常生活でできる運動リスト】

1 洗濯物干しスクワット
 洗濯物をカゴから取り出すとき、一枚ごとにしゃがむ。

2 つま先立ちダイエット
 炊事と掃除はつま先立ちで行う。

3 大またで早歩き
 歩き方を変えるだけでも運動になる。外出した時は、大またで早歩きをする。

4  階段で負荷をかける
 駅やオフィス、デパートなどではエレベーターやエスカレーターに乗らず、階段を利用する。

5 電車では座らない
 移動中の電車などで座らず立っていれば、エネルギー消費量が約20%増加する。

6 室内でも動く習慣をつける
 携帯電話は手元ではなく、離れた場所に置くなど、室内でも運動量を上げる工夫をする。

7 咀嚼(そしゃく)で脂肪燃焼
 食事はひとくち30回噛む。よく噛むと脂肪燃焼効果が高まる。

8 お風呂トレーニング
 浴槽内で手足を思いっきり突っ張り10数える。6秒以上の負荷で筋繊維が増加する。

9 ひざをつけて座る
 筋肉を鍛えると基礎代謝が上がり痩せやすくなる。座る時は両ひざをつけて内転筋(太ももの内側)を鍛える







生活習慣病を予防するには、栄養バランスのよい食事が第一。テレビなどで健康によい食材が紹介されると、そればかりを食べる人もいますが、天然、オーガニック、無添加も含めどんな食材でも「ばっかり食べ」は体に悪影響を及ぼします。

日本糖尿病学会も一時は糖質制限食を認めていましたが、今は特定の栄養素を制限するのではなく、総エネルギー摂取量の制限を最優先とする、ということに変わっています。
炭水化物のみを極端に長期的に制限することについて、安全性などのエビデンスが不足しているという見解です。

私は例外的に、血糖値が高いといった人は、糖質制限を参考にしてもいいと思います。しかし、糖質制限をずっと続けるのはおすすめできません。やはり食事自体は、バランスよく食べることが基本です。





便の70%は水分ですが、固形成分の大半は腸内細菌です。善玉菌が増えれば便の量も増え、腸内の老廃物も排出されやすくなります。キノコ類は善玉菌のエサとなる食物繊維も豊富なので、免疫力アップには理想的な食材です。








これまで私が診てきた生活習慣病の患者さんの多くは、体が冷えていました。冷えは万病の元です。冷えを改善すれば代謝や免疫力が上がるので、かなりの病気を防げます。

体の細胞は毎日入れ替わっています。入れ替わりのサイクルが一番短いのが小腸で24時間です。小腸ガンは全消化器のガンのうち、0.2%という非常にまれなガンですが、それは細胞の新陳代謝が早いため、ガン細胞が振り落とされてしまうからです。
新陳代謝のサイクルが一番長いのは、70歳以上の人の骨で3年かかります。逆にいえば、3年あれば体のすべての細胞が入れ替わります。
体には自分で正しいものを作り出して、悪いものを排除する仕組みが整っています。その仕組みが問題なく働くようにしていれば、たいていの病気は3年以内に治るはずなのです。

普段の生活の中では、湯たんぽで冷え取りができます。全身を温めたいときは、太ももやお腹などら血流の多いところを温めるようにします。首、手首、足首などは皮膚から動脈か近いので、ここが冷えると血液も冷えます。







医師が処方した薬だし、なんとなく飲みたくないからと自己判断で服用をやめて薬を捨てるのも医療費のムダ遣いです。薬をやめるとどの様な影響があるのかを知っていて、何があっても自分で責任を取るなら構いませんが、勝手に薬をやめておいて具合が悪くなると泣きついてこられるのは迷惑です。
薬は患者が「必要なのでください」と言うべきだと思います。「努力して痩せました。運動もしていますが、血圧が下がりません。脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げたいので薬をください」と言うくらい、患者が主体的になれば、医療費を減らせるはずです。











「介護されながら生きるのは嫌。でも、そうならないための努力も嫌。楽をしたい」という人が増えています。高齢の方には「寝たきりになりたくなかったら立ちましょう、歩きましょう」と勧めています。足腰を鍛えたかったら、駅などではエスカレーターやエレベーターを使わず、階段を利用することです。電車では「健康なお年寄りには席を譲らない」運動を展開してもいいのではないかと思います。立っている方が足腰が丈夫になり健康寿命も延びます。冷たいのではなく、むしろおもいやりです。










…では、どういう点に注意すべきかを見てみましよう。まず、手術をするためにかけられる全身麻酔は肺機能の低下を引き起こします。タンを吐き出す力や食べ物を飲み込む力が弱まり、肺炎を起こしやすくなります。手術後錯乱や妄想状態になるせん妄になり、転倒して骨折することもあります。また高齢者は手術後1週間寝ているだけでも筋肉が低下し、そのまま寝たきりになる人もいます。必ずしも手術をすればいい、というものでもないのです。
手術をしないほうが長生きできた、あるいは手術をしてもしなくても寿命はあまり変わらないというケースもあります。高齢者の手術は、メリットとデメリットをよく確認してから決めることをおすすめします。手術後はどのくらいの期間寝ていなければならないのか、寝たきりにならないためにはどうすればいいかなども医師に聞いておきましょう。













望んでいない延命治療をされないためには、元気なうちにエンディングノートなどに希望を明記しておくことです。そして、救急車は呼ばないこと。なぜなら、医師は患者が目の前に来たら自動的に助けようとしてしまうからです。
「延命」の範囲も医師によってまちまちです。具体的に意思表示をしておけば余計な治療を受けずにすみ、医療費のムダを出さずにすみます。









エンディングノートは家族のためにも必要です。患者さんが意識不明の重体になったとき、延命治療など選択を迫られた家族はどうすればいいかわからず、望まない結果になり、それがずっとトラウマになることがあります。また、患者さんの望みどおりにしたのに、はっきりと文章にしておかなかったために、親族から非難される人もいます。エンディングノートがあれば、そういった事態も避けられます。
エンディングノートを書いたら、家族にその存在を知らせておきましょう。お子さんが就職や結婚した時などに渡すのも手です。内容は変えてはいけないという決まりはないので、気が変わったときには書き直しても問題ありません。















費用については冒頭で「基本的に」と延べましたが、費用をおさえられるのは主に家族が介護を行い、延命治療などはせず「枯れるように」亡くなっていく場合です。1人暮らしで寝たきりなど自分で身の回りのことができず、訪問ヘルパーなどを長期間利用したり、延命治療などを行ったりすると病院より高額になる可能性があります。
急変した時の対応、延命治療などについても家族間で意見が食い違うことがあるので、事前に話し合っておくことが大切です。












メタボ健診で医療費を下げると厚労省は公言しておきながら、下がるどころか上がっています。国に頼っていても日本を救うことはできません。

家庭の医療費の節約も重要ですが、国家の医療費の節約は切迫した課題なのです。病気にならないということは、自身のみならず国家も救うことになるのです。